「IT それが見えたら、終わり」を鑑賞して思ったことなど

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 スティーブン・キング原作。以前にテレビドラマとして映像化はされており、ん十年んぶりに今回は映画としてリメイク。本国アメリカではすでに公開されており、かなり評判がよく、ヒットもしている様子。
 というわけで、かなり期待値が高い状態でいどんでみました。

 で冒頭、まずはつかみがうまいと思った。
 こんなかわいらしい子が、まさかこんな目にあうなんて……。ゆるせん。という感じですっかり引き込まれてしまった。
 それ以降も、怖いシーンが続いて、なかなかいい感じ。うわさどおり、これはおもしろいかもしれない。
 と思っていたのだが、しだいに雲行きがあやしくなって、そうそうに退屈してしまった。


 というのも、たしかに、映像自体は金もかかっている感じで、良い出来ではあるのだが、なんだろう。どのシーンも唐突に始まり、終わって、前後のシーンとのつながりが見えないのだ。
 ほら、怖いでしょ、じゃあ次はこれはどう? というような、独立したシーンをただ並べているだけ、みたいな。
 シーンとシーンをつなぐ肝心な部分が描けていないので、話にまったく入っていけないというか。
 だから、それぞれ個性的な登場人物たちである子供たちにも、一向に感情移入することができず、いつまでも、その言動に共感できないまま。それが最後までつづいて、どうにも観ていてイライラさせられた。途中でしめされる伏線も回収されることがないし……。これはきっと脚本の出来が悪いのだろう。
 ということで、個人的にはどうかと思うレベルの出来だった。

 

 しかしこれがヒットしているらしい。どうしてだろう? 
 考えてみるに、つまりこれはお化け屋敷映画として受けているのだろう、という結論にいたった。
 みんなで映画館へ行って、キャアキャア騒いで楽しむみたいな……。そうしたアトラクション的なものとしてみれば、たしかによく出来ているのだ。アメリカ人ってそういうの好きそうだし。
 というわけで、あまりおすすめはできないが、みなでワイワイ鑑賞するぶんには面白いと思う。